北アフリカのモロッコで味わう羊肉料理

 

 

世界羊旅27カ国目 モロッコ

 

スペインを後にしてやってきたのは

世界の文化が交差する、北アフリカのモロッコ王国。

 

モロッコ料理は、先住民族のベルベル人によるベルベル料理がルーツとなっています。

 

その後、イスラム、アラブ、ペルシャ、スペイン、トルコなど周辺諸国の文化が複雑に絡み合い

現在の形になったといわれています。

 

モロッコ料理で羊肉は定番の食材で、モロッコでは様々な羊肉料理を味わうことができました。

 

 

放牧されていた羊たち/マラケシュ近郊にて

 

モロッコで食べた羊肉料理

羊肉と野菜のクスクス

 

 

モロッコ料理の定番といえばクスクスとタジンですね。

クスクスは世界最小のパスタとしても有名で、原料はデュラム小麦です。

 

羊肉(かなり若齢のラム)はやわらかく、しっとりとした肉質で控えめにスパイスが香ります。

 

モロッコでは多種多様なスパイスを使いますが、基本的に食材本来の味を大切にするため日本人好みの程よいスパイス加減の料理が多いと思います。

 

 

 

クスクスがめちゃくちゃ美味しい。

 

日本では、クスクスの調理法はお湯戻しが一般的だと思いますがそれらとは全くの別物です。

 

モロッコでは二段の蒸し鍋を使用し、下段で食材を煮込み、上段でクスクスを蒸し上げます。

ただ蒸すだけではなく、じっくりと時間をかけて食材の旨味を含んだ蒸気で蒸し上げます。(蒸し方は地域や各家庭によって異なりますが)

 

そうすることによって、乾燥させたクスクスの独特の香りが飛び、小麦本来の香りと甘味や蒸気から吸収した食材の旨味を味わえます。

ぜひ一度、蒸し方にこだわったクスクスを作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

羊肉のタジン

 

各席にはデフォでコーラとホブス(パン)が並べられています。

 

野菜たっぷりで美味しそう。

 

首の肉でしたが、やわらかく調理されていて美味しかったです。

カリヤ

 

カリヤは砂漠地方独特の料理です。羊肉と玉ねぎなどの野菜をトマトで煮込み、仕上げに卵を落とします。

 

 

 

 

羊のメシュイ

 

 

仔羊の丸焼き、メシュイです。

メシュイとはアラビア語に由来し、「焼く、ローストする」という意味を持ちます。

 

 

マラケシュの旧市街には、メシュイ専門店が軒を連ねるメシュイ通りがありそこかしこで羊の塊肉が売られています。

 

旧市街は迷路のように入り組んでいる。
首の部分でしたが、やわらかくてジューシー。クミン塩とモロッコのパン ホブスと食べます

 

 

 

店内には丸焼き用のラムが。

 

 

丸焼き用のラムは、この穴の中に入っていきます。
穴の中でじっくりローストされる仔羊肉。

 

 

 

 

羊の脳みそ

 

 

屋台で食べた羊の脳みそ。

スパイスでマリネした脳みそをボイルして、クミン塩で食べます。

 

スパイスで、脳みそ特有のクセがマスキングされて食べやすい。

 

 

羊肉のタンジーヤ

 

 

タンジーヤ(タンジーア)は、マラケシュの郷土料理です。

壺の中に羊肉、スパイス、スメン(モロッコのバター)、にんにく、オリーブオイルなどを入れて紙で蓋をして、ハマム(公衆浴場)の炉の近くでじっくり煮込みます。

 

出勤前にタンジーヤをもってハマムに行って壺を預けると、仕事終わりにはタンジーヤはちょうど出来上がっているとのこと。

 

羊肉の様々な部位を楽しめます。パンと一緒に食べます。

 

 

ラムケフタ

ケフタとは、中東のキョフテみたいなものですかね。

挽肉料理です。タジンで煮込めばケフタタジンになりますが、屋台では炭火焼きでした。

 

もちろん素手で焼きます。

 

 

羊の頭肉

 

 

 

フナ広場の屋台には、羊の頭のローストがずらりと並んでいます。
注文するとこのような形で提供されます。
羊の頭を目の前にして食べると、異国感がすごいですね。
クミン塩で食べますが、やっぱり頬肉が一番おいしいですね。

 

日本では当たり前に捨てられている羊の頭も、丁寧に下処理をして美味しく調理されていました。

 

羊を愛するモロッコ人

 

 

モロッコでは、年に一度イード・アル=アドハー(羊犠牲祭)といわれるお祝いの日があります。

各家庭で羊を1匹生贄として捧げお祝いします。

自分たちが大切にしているものを犠牲にして、アッラーへの献身を示すそうです。

解体した羊肉は、一部は貧しい人に配り、残りは家族や親戚、友人などにふるまわれるそうです。

 

モロッコには、至る所に羊がいます。

 

羊からもらった命を、余すところなく利用するため

毛は伝統的なベルベルカーペット(絨毯)に、皮はバブーシュ(革製のスリッパ)に、角は装飾品になります。

 

色とりどりのバブーシュ(革製のスリッパ)

 

タンネリと呼ばれる、なめし革工場です。ここでは昔ながらの製法で皮を染め付けています。

 

色とりどりの染料がずらりと並んでいます。

 

タンネリ内は、臭いがすごいのでミントの香りを嗅ぎながら見学します。臭いの原因は大量の鳩の糞で、鳩の糞には皮をやわらかくする作用があるそうです。

 

天日干しされている羊の皮。

 

角でつくったアクセサリーも売られています。
スーク内では、染められたばかりの羊毛が干されています。

 

 

染色職人に見せていただいた染料。
世界一周しているときって、欲しいものがあっても買えないから辛いんですよね。荷物を増やせないし、お金ないし。

 

 



次の国はポルトガルです。

 

ラム肉をポルトガルの宝石と称されるポートワインのソースで食べ、コインブラという町の郷土料理である仔羊の赤ワイン煮込み「シャンファーナ」を食べたり。