ヨーロッパの羊文化を語る上で、欠かせない国「スペイン」
スペインでは古代から移動牧羊が行われており、ヨーロッパでもイギリスに次ぐ牧羊国として知られています。
羊毛のなかでも最高級といわれるメリノウールを生産するメリノ羊も、スペイン生まれです。
メリノ羊はスペイン帝国が独占し、この羊種を国外への持ち出したものは死刑に処せられるほど厳しく管理されていたとのこと。
結果的にこのメリノ羊はスペイン大航海時代を築く莫大な富を生み出しました。
今のスペインがあるのは、メリノ羊のお陰といっても過言ではありませんね。
しかし、今回スペインにはメリノ羊を見に来たわけではありません。
目的は2つあり
1つは、スペインを代表する羊乳チーズ「ケソ・マンチェゴ」の生産者を訪ねること。
もう1つは、カスティーリャ・ラ・マンチャ地方の名物である乳呑仔羊「コルデロ・レチャル」を食べること。
コルデロ・レチャルとは、母羊の母乳のみで育った生後20日~40日の仔羊の肉。
スペインの中でも、カスティーリャ・ラ・マンチャ産は極上品です。
さっそく、マドリードでレンタカーをピックアップしてジウダー・レアル近郊にある羊乳チーズ工場へ。
カスティーリャ・ラ・マンチャ地方はスペイン中部に位置し、「マンチャ」とはアラビア語で「乾いた土地」を意味します。その名の通り、降雨量も少なく夏場は極度の乾燥に苦しめられます。
ちなみに、このラ・マンチャ地方は文学史のなかで最も有名な作品のひとつである「ドン・キホーテ」の舞台となった場所です。
ケソ・マンチェゴとは、スペインNO1ともいえるほどの知名度を誇る羊乳100%のハードタイプのチーズです。文学史ドン・キホーテにも登場した歴史あるチーズです。
今回、見学させて頂いたのはオーガニックのケソ・マンチェゴを生産する「FincaFuentillezjos」
一般見学は受け付けていないのでご注意ください。
そして工場を後にし、2番目の目的である「コルデロ・レチャル」を味わいにジウダード・レアルへ。
今回訪れたのはRestaurante Alquimiaというレストラン。
・・・・・・・。
今まで、オーストラリア産、ニュージーランド産、イタリア産の乳呑仔羊(ミルクフェッドラム)を食べましたが、
ラ・マンチャ産は別次元です。
よくミルクフェッドラムは、ほんのりミルクの香りがすると表現されますが
このコルデロ・レチャルは、ミルクに肉を漬け込んだんじゃないか?くらいにしっかりミルクの香りがします。
肉質も非常に繊細で、今まで食べてきたミルクフェッドラムは何だったんだろう?と思わせるくらいの衝撃でした。
ちなみに、スペインでは
生後1年以上のマトン→カルネロ
生後1年未満のラム→パスクアル
生後45日程度で、体重15㎏以下の仔羊→レセンタル
と呼ぶそうです。
今回は、一人旅+レンタカーの運転があったのでノンアルコールでした。
いつかまたスペインに行って、コルデロ・レチャルで1杯やりたいですね。