アルプス山脈に孤高にそびえ立つマッターホルン。
その山の麓に生息し、過酷な環境で育つ羊がいます。
スイス南部に位置するヴァレー州原産で、極めて頭数が少ない希少種。
「ヴァレーブラックノーズ」
ドイツ語では、シュバルツナーゼと呼ばれています。
実はヴァレーブラックノーズは羊界のアイドル的存在で、独特の見た目から「世界一かわいい羊」と評されインターネット上で話題になっているのです。
人気のあまり、ヴァレー・ブラックノーズ ファンクラブアメリカ支部が存在するほど。
試しに「世界一かわいい羊」とググって頂くと、ヴァレーブラックノーズの写真ばかりが出てくるはずです。
この目で見たい・・・。むしろ食べてみたい。。。(肉毛兼用種なので)
そう考えてしまうのが羊屋の性です。
ヴァレーブラックノーズは4月~10月頃まではアルプスの高地で自由気ままな生活をして、寒くなると下山し農場で冬を越すそうです。
つまりほぼ野生です。ツェルマットの人達に羊達の居場所を聞いても
「そこらへんの山にいるよ」
としか教えてもらえません。っていうか羊達は常に移動しているためどこにいるかはわからないみたいです。
果たして羊達に会えるのか・・・。
そんな不安を抱えながら3時間ほどのトレッキングコースを歩きながら探すことにしました。
確かにヴァレーブラックノーズは愛くるしさに溢れていますが、それは見た目だけではありませんでした。