世界で最も有名な仔羊といっても過言ではないかもしれません。
フランスの美食家のみならず、世界から注目される「アニョー・ド・プレサレ」
美味しさの秘密は、羊達が育つ環境にあります。
プレ・サレとは、直訳すると塩牧場。フランス・ブルターニュ地方とノルマンディー地方の境界付近、モンサンミッシェル湾と西コタンタン半島沿いに点在する、低湿地帯の呼び名です。この地域は塩の満ち引きの差がとても大きいため(最大で15M)好塩性の植物しか育ちません。この植物を食べることにより、肉中の食塩相当量や、必須ミネラルのヨウ素含有量が増えます。これがアニョー・ド・プレサレの旨味の秘密です。
オーストラリアのソルトブッシュラムも南三陸のわかめ羊も、同じ理屈で美味しくなります。
過去記事のリンクを貼っておきます。
人気のあまりアニョー・ド・プレサレの偽物が横行したため、1999年にAOC(フランス独自の原産地管理呼称)を取得、その3年後PDO(ヨーロッパ統一規格の原産地呼称制度)を取得しました。
ちなみに、ヨーロッパでは、PDO(原産地呼称保護)の他にPGI(地理的表示保護)がありますが、プレサレが取得しているPDOのほうが原産地、生産、加工についてのルールがPGIに比べて厳しく、取得難易度が高いです。
取得難易度が高いので、その分優位性があります。
しかし、低湿地帯で羊を育てるということはリスクも伴います。
羊達がクリッチ(水で満たされた危険な溝)にハマって動けなくなってしまうことは頻繁にあり、生産者達は定期的に見回りをしてその羊達を助けないといけません。
通常、羊農家の羊死亡率は8~10%であるのに対して、プレサレの死亡率は15%です。
プレサレとして認められるには、この危険な環境で75日間以上放牧する必要があります(最低日齢135日以上)
プレサレとして認められるのは7種類の品種のみです。サフォーク、ハンプシャー、ルーサン、イルドフランス、ルージュドゥロースト、ブーロンネー、ヴァンデーン(フランス語での表記もあるので全然聞いたことない品種も)
早速プレサレを味わいにレストラン『ル・プレ・サレ』へ。
プレサレの牧場を訪問。